こんにちは、SAKIです。
7月にわたなべぽんさんのエッセイ漫画『やめてみた。』を読んでレビュー記事をアップしましたが、今日はその第2弾『もっと、やめてみた。』を読んだので、自分なりの感想を書いてみたいと思います。
前作は炊飯器や長財布、掃除機など、どちらかというと物理的な、断捨離の手始め的なことが割合的に多かった気がしますが、今回は作者の習慣やクセ、考え方など、心のちょっと深い部分までさらけだしての「やめてみた」になっています。
今回もエッセイ漫画ならではの、ゆるくて軽快な読みやすさで一気読みしてしまいました。

本のあらすじ〜やめたい習慣

本書は前作同様、「やめてみる」がテーマです。
本当に必要なのか分からないものを捨てたり、ぐるぐるしがちな考えグセを手放すことで、生活に意外な変化が起きた、というエピソードが多数紹介されています。
ストーリーの導入はまず、外出時に突然の雨で買わざるを得なかったビニール傘の話から。
友人たちは皆、事前に天気予報をチェックして折り畳み傘を持参。自分だけ余計な出費にショックを受ける作者。
家に戻ってビニール傘を数えてみると、なんとその本数9本!
そして、可愛くて何個も衝動買いしちゃうプチプラ・アクセサリー。
でも、安いだけに、デザインが気に入っていても金具部分がすぐに黒ずんでしまって付けられなくなる…。
「つい買ってしまう」これらのモノたち…。無駄、そして自己嫌悪。

今でこそ、気をつけているから失敗はあまりしなくなったけど、若かりし頃は同じパターンにはまっていたなぁ。
物事に無意識に「なんとなく」向き合っていると、こういうことがよく起こるもんですよね。ちょっと考えればわかることなのに。
この本のいいところは、普段あまり深く考えていないことに気付き、フォーカスをあてて、読者に考えるチャンスをくれるところ。そして作者がちゃんと行動して変化を見せてくれるところだと思います。
前述のふたつの例も、然り。
事例が直接自分とあてはまらなくても、本の中には変わり方のヒントがたくさん散りばめられています。
もっと「やめてみた」リスト
作者のぽんさんは、今回もいろんなことをやめています。
・ビニール傘を買う
・プチプラアクセを買う
・観葉植物を買って枯らす
・いつも同じ髪型
・ボディソープ
・忙しい時の居酒屋での飲食
・積極的な友達づくり
・イベントブルー
・人見知り

そして、やめたことで芽生えた新しい価値観の話も満載。
「ボディーソープをやめたら石けん作りが趣味に」「深夜の居酒屋のかわりにお茶漬けにしたら健康になった」「無理に友達を作るのをやめたら、むしろ交友範囲が広がった」などなど、やめてみたことで発見した新しいワクワクや暮らし方が色々と紹介されています。
また「囚われるのを、やめてみた」という、ぽんさんの性格と考えグセに根付いた思い込みに関するエピソードにも章が割かれています。
自信のなさからくる「こうあるべき」に囚われ過ぎて、様々な場面で思い悩む作者が、どう折り合いをつけて、心が解放されていくのかが繊細に描かれています。
そして、ラストでのこのセリフが印象的でした。
なんだか、この歳になって”生まれ直し”してるみたいだ
「もうきっと死ぬまで変わらない」そう思っていた心がほどけていきました
おわりに
本書『もっと、やめてみた。』では、作者のわたなべぽんさんのメンタルな部分が深掘りして描かれているところがあり、読んでいるこちらもちょっと胸がグッとくる場面がありました。
でも、人見知りしてしまう自分がいやで、素のままで人と接することができたら楽しいのにと言う作者に、夫君の「僕は素のままがいいとは思わないな」から始まる意見には、納得できて、とても心が暖かくなりました。
何事も考え過ぎてしまうぽんさんに対して、愛情のこもった助言を的確に伝えてくれる夫君の存在はうらやましい限りです。
この『やめてみた』シリーズは、第3弾『さらに、やめてみた』まで出ているので、次回はそちらを読んでレビューしてみたいと思います。
みなさんも、興味がある方はぜひ読んでみて下さいね。では、また!