今日は和食の日〜和食離れを止めるには、まず主食を変えてみよう

和食の日

こんにちは、SAKIです。
今日、11月24日は「和食の日」というのはご存知でしたか?「11(いい)2(ほん)4(ょく)」という語呂合わせになっています。

この日を、日本人の伝統的な食文化について見直し、和食文化の保護・継承の大切さについて考える日として、2013年に一般社団法人和食文化国民会議によって制定されました。

2013年といえば、和食(日本人の伝統的な食文化)がユネスコ無形文化遺産に登録された年でもあり、世界だけでなく、日本国内でも、より多くの人々が和食に関心を持つきっかけになりました。

和食を食べる機会が減っている日本人

もともと、無形文化遺産登録への働きかけの発端のひとつは、国内での和食文化存続の危機感から始まっています。

1970年代から、ファストフードをはじめ、海外の食文化に影響を受けた料理やスタイルが外食業界を中心にどんどん取り入れられ、私たちの食生活はいい意味でも悪い意味でも多様化しました。イタリアンや中華、フレンチなど、ここまで外国の料理を日常的に取り入れている国は珍しいといいます。

調理師学校においても、パティシエやイタリアンの専攻を希望する生徒が多い一方、和食は一番の不人気コースだといいます。そして家庭においても、伝統的な食材を使い、一汁三菜スタイル意識して献立を考える人はあまり多くないでしょう。このままでは伝統的な日本の食文化が忘れられてしまうのではないでしょうか。

そこで、和食文化を守るために、私たちが実践的にできることは何か、考えてみたいと思います。

まずはごはん〜主食が変わればおかずが変わる

和食

私たちが和食を積極的に日常の食生活に取り入れるには、まずは主食である炭水化物をごはんにすること。

これについて、東京大学で行われた実験で興味深いデータがあります。1700名以上の女子大生を対象に1ヶ月間、完全ご飯派から完全パン派までいくつかのグループに分けて、朝食に何を食べているかを調査しました。

結果、主食にパンを多く食べている人は、おかずにチーズやバター、ソーセージに乳製品などを食べていて、脂質や飽和脂肪酸の摂取割合が多く、一方、主食にごはんを多く摂っている人は、魚や野菜を多く食べていることが分かりました。

この調査により「主食が変われば、おかずが変わる」ということが明らかになりました。言い換えれば、主食としての「ごはん」を守ることで、日本の伝統的な食文化を守っていけることにつながるとのことです。

出汁で食育〜幼少期の味の記憶が食の嗜好を左右する

だし

和食を和食たらしめている重要な要素のひとつに「出汁(だし)」があります。

そんな和食の真髄とも言える「出汁」ですが、子供の頃からその味に親しんでいなければ「美味しい」と認識しないそうです。つまり、両親が出汁が嫌いで、食卓に出汁を使った料理を出さなければ、味噌汁や煮物などを食べない大人に育ってしまうとのこと。

ここでまた興味深いお話です。出汁の「うま味」というのはだれにも先天的に好まれる味ですが、風味というのは後天的な影響が大きいそうです。

・うま味(味覚)の受諾性は先天的
・匂い(風味)の快・不快は後天的

和食はヘルシー料理として海外で人気がありますが、外国人(特に欧米人)は日本の「出汁」の匂いがすごく苦手だそうです。出汁が放つ香りを「オーシャン臭がする」「魚くさい」と嫌います。子供の頃から慣れ親しんでいない(あるいは「良い匂い」と認識していない)、ローカル色の強い風味は、彼らにとっては異臭なのでしょう。

しかし、実際に出汁を飲んでみると反応が変わる。旨味がきいた出汁の味を「美味しい」と感じるのです。

日本人の私は、出汁の香りは食欲をそそるいい匂いと思っています。やはり、どれだけ慣れ親しんできたかで、反応が違うんですね。

この話から、匂い(風味)の優劣が、成長する過程で刷り込まれていくものだということが分かります。つまり、出汁の文化を継承していくためには、子供たちに出汁の風味を美味しいと認識させる習慣を、親が意識的に食卓に作り出していくことが重要となってきます。

日本人にとって、出汁の味の記憶はなぜ大切なのか?

子供の頃から「出汁」に親しんでいくことで、老後の食生活にも影響するそうです。

子供は小学校、中学校までは、カロリー面において、和食だけで過ごすことができますが、成長して高校生、大学生、サラリーマンになると、より多くのエネルギーが必要になり、カロリーの高い欧米食やジャンクフードを自然と求めるようになります。

そして、年齢がさらに高くなり、カロリーもそれほど必要ない老人になった時、また戻ることのできる食生活があります。それが「出汁」を主体にした和食です。

つまり、もう脂質の高い欧米食やジャンクフードなどを体が受けつけなくなっても、子供の頃に慣れしたんだ和食のバックボーンがあるから、その食生活に戻せるのです。

ちなみにアメリカ人などは、若い頃はハンバーガーを4つ食べていたけれど、年をとってからは2つにするという程度で、食べる内容は変わらず、摂取量を減らすだけだといいます。

そういった意味では、日本では「子供食→成人食→老人食」といった、年齢に応じてバリエーションのある豊かな食文化を持っています。しかし、子供の頃に和食が根付いていないと、上記のアメリカの食生活と同じようなパターン(内容は変わらず量が減るだけ)になってしまう可能性もあります。

最後に〜今日のごはんは和食にしましょう!

せっかくユネスコの無形文化遺産に登録され、世界から和食の認知が高まったのに、当の日本で伝統的な和食がなおざりにされているとしたら、とても残念なことです。

かくいう私も日頃からパンやパスタなどを好んで食べる傾向にあり、副菜も自然と洋食系に寄ってしまっている気がします。

一汁三菜の和食って、料理するのに意外と手間や時間がかかったりするので、無意識に避けていたのかもしれません。でもそうすると、ますます和食離れになってしまう。意識的に変えていくことが重要ですね。

まずは「主食を変えればおかずも変わる」を実践し、もっとごはんを食べる習慣をつけていきたいと思いました。早速、今日のお昼と晩ごはんは和食をいただこうと思います。

みなさんの食卓にも和食が並びますように!

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