【工場見学】キッコーマン野田工場で醤油の製造工程を見学してきました

【工場見学】キッコーマン野田工場

こんにちは、SAKIです。
結構前の話になりますが、お醤油づくりの現場を見学しに、キッコーマン野田工場へ伺った時のレポートをご紹介します。

お醤油は日本人の食卓には欠かせない発酵調味料ですが、みなさんはそのお醤油の原材料が何で、どのような工程で作られているかご存知でしょうか。

私の場合、分かっているようで曖昧な部分もあったので、「日本人として、ちゃんと知っておきたい」と思い、醤油づくりの現場を見学してみることにしました。

見学先の候補として、昔ながらの伝統的なやり方で醸造を行っている醤油蔵か、大手のお醤油メーカーか迷いましたが、今回は世界的なお醤油のリーディングカンパニーであるキッコーマンさんに申し込みました。

工場見学を開催しているキッコーマン野田工場では、1日数回にわたり、所要時間60分程度で、案内付きの見学ツアーを無料で催行しています(事前の電話申込が必要)。

野田は江戸時代から続く、醤油に根ざした町だった

さて、見学日当日。電車を降りて野田市駅のホームに降り立った途端、なんともいえない匂いが空中に漂っているのを感知。う〜ん、どこかで嗅いだことのある匂い。ごはんを炊いた時の甘い匂いにも似ているんだけど…。

駅だけでなく、工場へ向かう道程も、着いてからも、ずっとその匂いがしているんですよね。あとで聞いたのですが、実はその匂い、キッコーマン野田工場で醤油の原料である大豆を蒸した時にでるものらしく、工場では地下に配管を設けて匂いが出ないように努力はしているものの、どうしても漏れてしまうんだとか。

野田工場は、駅から徒歩で約3分の近さ。駅を出て目の前に見える高くて大きなタンクが目印です。

キッコーマン野田工場

さて、予約した時間になると、いよいよ見学ツアーが始まります。今回は大人ばかりの見学者とともに、女性スタッフが館内を誘導しながら、醤油の製造工程を説明してくれます。

まずは、シアタールームのようなところで15分ほどのビデオを視聴します。主にキッコーマンの歴史や業績の紹介です。

野田とキッコーマンの歴史は古く、ここで醤油作りが始まったのは江戸時代のことだそうです。野田は醤油作りに適した気候に恵まれていただけでなく、江戸川と利根川の水運を利用して、原料となる大豆、小麦、塩などを入手しやすく、江戸へも半日で商品を運搬できたことから、醤油の町として栄えるようになったとのこと。

千葉は醤油の出荷量日本一で、国内シェア全体の35%以上を占めていますが、そういえば、ここ野田のほかに、銚子市も醤油の産地として昔から有名ですね。

伝統製法が機械によって効率化、巨大化され、大量生産が可能に

ビデオ視聴が終了したら、次は歩いて館内を回ります。

まずは原材料について。醤油の原料は大豆、小麦、そして塩。プラスチック容器1本分に、それぞれどれだけの量が使われているかを教えてくれました。また、国内だけでは仕入れられる量が限られているため、大豆や小麦はアメリカから、塩はメキシコからも輸入しているそうです。

キッコーマン野田工場

中央に小さく写っている容器に各原料の分量が入っています。

次に、巨大な製麹室へ。といっても、もちろん中へは入れず、ガラス越しに見学です。
高温で蒸された大豆に、炒って細かく砕かれた小麦と種麹を混ぜ合わせたものを、この部屋で3日間培養されて「しょうゆ麹」を作ります。温度や湿度がコンピュータ管理され、大量の醤油のもとがつくられます。

次の工程は、培養された「しょうゆ麹」に食塩水を加えて「もろみ」を作るのですが、こちらは屋外にあった巨大タンクに移されて行われるので、実際に中を見ることはできません。2〜3ヶ月間、タンク内でもろみの発酵・熟成が進みます。

熟成した「もろみ」は濃い茶色になり、どろどろの液体です。見学では、そこから醤油を絞り出すための装置を見ることができました。もろみを布でくるんで濾過する方法で、機械で圧力をかけ、時間をかけてじっくり醤油を抽出します。ここでできるのが「生しょうゆ」です。

布に残った大量の残りカス(しょうゆ粕)は、家畜の餌などに混ぜたり、再生紙の材料としても使われているようです。エコですね。

実際に工場内で設備を見れたのはここまで。このあとの「火入れ」と呼ばれる作業や検査、ボトリングの工程などはモニターでのビデオ視聴でした。

あとは、キッコーマンの歴代の商品が並んだ棚を見たり、屋外のタンクの説明があったり、という感じで見学ツアーはフィニッシュへ。

キッコーマン野田工場

見学の終わりには、館内にあるカフェや売店の紹介があり、お土産に「しぼりたて生しょうゆ 200ml」をひとり1本づついただき、解散となりました。ありがとうございました!

忘れちゃいけない!工場名物「しょうゆソフトクリーム」

さて、ここに来たら「しょうゆ味のソフトクリーム」は忘れずに食べておきたいスイーツです。館内に「まめカフェ」という小さなカフェが併設していて、そこではしょうゆソフトクリームに加え、せんべい焼き体験や、様々なお醤油で豆腐の食べ比べなどもできます。

しょうゆソフトクリーム

ハーフサイズのしょうゆソフトクリーム(180円)

「しょうゆソフトクリーム」は、ベースとなるバニラのソフトクリームに醤油が入っていて、よく見ると色がうっすらと茶色。鼻を近づけると、醤油の香りがふわっと感じられます。興味津々で口に入れてみると、まずバニラの甘さがきて、次に醤油の独特の風味が口中にやわらかく広がりました。意外と合っていて、期待以上に美味しい。おそらく混ぜる醤油の割合をいろいろ試して、この味にたどり着いたのではないかと思えるほど、ベストな調合具合でした。ペロリと完食させていただき、満足です。

見学の終わりに

当日は時間に余裕があったので、見学ツアーのほかに、工場の施設内にある「御用蔵」と「もの知りしょうゆ館」の展示品をゆっくり見て回ることができたのも収穫でした。

「御用蔵」は、宮内庁におさめる醤油を醸造しており、近代化された工場とは違って、今も伝統的な製法でつくられているそうです。昔ながらの伝統的な道具や装置などが展示されており、製造工程がわかるようになっています。

一方、「もの知りしょうゆ館」はパネルを中心とした展示品が並んでいます。小学校の団体見学も多いせいか、イラストを多く使って平易に説明文が書かれていて、分かりやすかったです。

見学ツアー自体は比較的短い時間でしたが、いつも購入して使っている醤油が、どのように、どれだけの時間をかけて作られているかがわかり、大変勉強になりました。

工場で人力で行う伝統的な醸造方法と見かけは違うものの、工程はほぼ同じ。新旧の製法が並行して守られているような気がしました。

ご興味ある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

INFORMATION
キッコーマンもの知りしょうゆ館(工場見学)http://www.kikkoman.co.jp/enjoys/factory/noda/index.html
所在地:千葉県野田市野田110 キッコーマン食品野田工場内

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